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わるしゃわ時間 mon carnet de tous les jours

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女友達とのランチには

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女友達を自宅に招いてのランチは気軽に準備したいですね。これが数人をお招きするとか、ディナーであれば、アントレ、メイン、デザートと総て手料理でもてなすところ、一人親しい友人とのランチには、一品メインとデザートをたっぷり用意するくらい。あまり気張りすぎると、相手に気を使わせますし、自分も疲れる。とはいえ、ごくごくたまにの機会ですから、出来れば話題性もあって欲しい・・・。

先日、ドロタが来たときに用意したのは、カレーとアイスクリームでした。どちらも先月パリで買ったスパイスを使い、カレーの具は豚ひき肉と玉葱、グリーンアスパラガス。アイスクリームはチャイ風味。どちらのスパイスもオリヴィエ・ローランジェの店にて購入しました。この人は数年前までブルターニュのレストランのオーナーシェフだったのですが、ミシュランの三ツ星を欲しくないと返上し、今は料理人としてというよりも、もっと自由に料理に関わっているようで、料理教室を運営したり、もともと海洋貿易港であった地元のカンカルからサン・マロ一帯の土地柄の影響か、スパイスの輸入、販売を行っています。彼をスパイスの魔術師を言う人もいるようですが、むしろ、調香師というほうがふさわしいとワタクシは思っております。マジックのような偶発的な閃きというよりも、長年にわたる素材研究、料理人として何十年も研ぎすませて来た味覚、嗅覚、触覚を駆使し調合したスパイス類は繊細にして膨大な数。それはあたかも香水の調香師の仕事に近いと思えるのです。

ワタクシが選び購入したカレーパウダーは、古の昔、英仏海峡を荒らしたフランスの海賊たちが本拠地としたサン・マロの歴史を彷彿とさせるもの。『海賊カレーのパウダー』という名で、海老や魚を使った海鮮カレーはもちろん、肉類、野菜類にも使えます。インド人街で仕入れる本場のインドカレーもいいけれど、さすが元三ツ星シェフが調合するだけあって、洗練を極めた味わいです。調合された各香辛料それぞれの旨味が、素材を引き立てつつ、まろやかな味わいに仕上げる。我が家にはスパイス類のストックとして、ターメリック、クミン、コリアンダー、カルダモン、ホットパプリカ、生姜などがありますが、時折気が急いてしまうのか、これらのスパイスを使いこなすことが出来ず、図らずもとんがった味わいになってしまったりするのですが、こんな失敗をせずとも、手軽に美味なカレーが出来るのでとても便利です。

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チャイ風味のアイスクリームに使用したのは、本来はホットチョコレート用のスパイスミックス。以前はチャイ用スパイスミックスの扱いがあったそうですが、現在はないそうで、仕方なく代用してみました。主にシナモン、ヴァニラ、黒胡椒で構成されています。まず紅茶を濃く煮だし、せっかくのスパイスの香りが飛んでしまわないように、最後に牛乳と一緒に加えました。その後、冷めたところで、生クリームを混ぜ、冷凍庫にて固めます。

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そのほか、こんな抹茶もみつけました。実際に使ってみると、普通の抹茶のような粉ではなく、さらさらの顆粒(!)。お薄としていただくよりも、お菓子作りか、せめて、葛餅やわらび餅の衣として、きな粉に混ぜるのが良さそうに思います。

ローランジェの小さな店を訪れるのは今回が二度目。時間をかけてスパイス選びをしていたためか、いろいろなお客さんを見ましたが、旅行者というよりも、なんとパリジャン、パリジェンヌの多いこと!少々驚きました。しかも、皆さん、積極的にお店の人にアドバイスを乞うている!パリが美食の街と言われるゆえんが、こうした日常の食生活、自分の食べる物をおろそかにしない彼らの姿勢にもあると、強く確信しました。

Epices-Roellinger Paris
51 bis, rue Sainte Anne
75002 PARIS
by ydonnadieu | 2014-05-18 02:52 | キッチンにて
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