季節柄、血の廻りが良くなってきたせいもあるのか、ガツンとくる清涼感ある味覚を味わいたい、じーんとした刺激を細胞に送り込みたいと思いながらカルダモンロールを作りました。
北欧諸国ではとてもポピュラーなパン菓子のシナモンロールですが、これの兄弟分にあたるのがカルダモンロール。そもそもの出会いは、
ストックホルムにあるパン屋ファブリックにて。
そこはパリの人気ブーランジュリーといい勝負となりそうな実力を持つ店で、田舎パンは昔ながらの釜で焼いたかのような真っ黒い焦げ目つきで、皮はぱりっ、中はしっとり、天然酵母パンならではの酸味も程よく病みつきになりそうな旨さです。
朝、この店に立ち寄るならば、是非食べたいのがシナモンロールで、これも皮はこんがり焼け、溶けだしキャラメル化した砂糖とシナモンパウダーも香ばしく、お勧めですが、それと合わせて忘れてならないのが、カルダモンロールです。
大抵のパン屋で見かけるのがシナモンロールなので、カルダモンロールはこの店オリジナルといってよいかもしれませんが、カルダモン自体はパイ風クッキーなどでもよく使われ、スウェーデンでは馴染み深いスパイスです。
カルダモンロールに限らず、食文化の異なる遠い異国の美味を食すには、自分で手足を駆使して再現を試みるしかないわけですが、おっかなびっくり作ってみると・・・、案外簡単ですね。
レシピは菓子パンの生地を麺棒を使いながら大きく伸ばし、カルダモンパウダーと砂糖をまんべんなく、たっぷりふりかける。それをロールケーキのように巻き、端から台形になるように切り、個々の中央に菜箸をあてながら花巻を成形する要領で側面のロールが表面に出るようにするだけ。
材料覚書(菓子パン生地) :
小麦粉 250g
生イースト 20g
砂糖 30g
塩 小さじ1
溶かしバター 40g
牛乳 100ml
卵 1個
カルダモンパウダー 小さじ1/2
軽く暖めた牛乳に、小麦粉以外の上記を入れよく混ぜ、粉を加え、捏ねて、倍くらいの大きさに膨らむまで寝かす。(生地が緩い場合、小麦粉をひとさじずつ、3~4さじ加えて調整する。)
カルダモンパウダーとブラウンシュガー適量(上記分量外)をまぶしながら、その後成形。再び寝かし、倍くらいの大きさに膨らんだところで、200~225℃のオーブンにて10~15分焼成。
くれぐれも心がけたい、カルダモンロールの成功の秘訣は、カルダモンパウダーを不安になるくらい沢山使うこと。シナモンロールしかり、です。フランスに限らず、普通スパイスを使いすぎるのは、他の食材を殺しかねず、ご法度です。たとえば、イタリア料理に欠かせないニンニクなど、以前店だったかどこかで、風味が強すぎると、イタリアの友人が顔をしかめて酷評していたことがありました。適量を心得ない、下品な味付けとみなされかねませんが、このシナモンロールとカルダモンロールは稀な例外。ケチってスパイスが足りないと、美味しくありません。
さて、出来たカルダモンロールはコーヒーやカフェオレとともに。
これで香り高いオレンジも添えれば、春らしい朝食になります♪