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Polish Old Fashion

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ふぅ~。また、素晴らしいものを手に入れました。
人との出会いは縁ですが、モノとの出会いも同じく縁。それこそ、この世にたった一つしかない古いものなら、なおのこと、運命的なものを感じます。
先日の夕暮れ時、歯科医院に急ぐ道筋でふと目にとまったのは、テーブルリネン専門店のウィンドーに飾ってあったテーブルクロス。白地に赤い糸でクロスステッチが四方にみっちり施され、そこに描かれているのは、大きく尾を広げた鳥や草花。一目で惚れてしまいました。

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翌日、改めて店に出かけると、主に新品の刺繍のリネンを扱っている店ですが、これだけはアンティークリネンということでした。

手に取りじっくり見てみると、刺繍だけでなく、周囲のまつり縫いまで総て手縫い。白い生地は糸の撚りが均一でないので、織に若干のムラがありますが、それも古いアンティークリネンの魅力の一つ。現代の化学薬品漬けのひ弱なリネンより、昔のリネンのほうがしっかりとコシがあり、丈夫ではるかに物がよいのです。ふんわりと洗濯剤の残り香もし、きっちり糊づけされているので今のところ生地に張りがありますが、大らかなフォークロリックな刺繍を見ても、おそらく戦前に遡るのではないでしょうか。フランスの娘たちと同じように、数十年前にここポーランドに生きた乙女が嫁入り仕度として、特別な祝いの食卓用に用意したものかもしれません。

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気の遠くなるような細かいクロスステッチで構成された鳥、花、草木。尾を広げているのは、孔雀でしょうか?ポーランドの気候風土では一般に馴染みの薄い鳥ではありますが、今もワジエンキ離宮などで放し飼いされている、鳥類の中でも一番華麗で気高い鳥を主役とし、まさに昔のポーランド人が夢見た詩的な世界を再現しています。

それにしても、孔雀をクロスステッチで刺繍するにあたり、その特徴をとらえながら見事に図案化していますね。ポーランドに限らず、昔の人々のロマンチックな想像力や創造性には感心してしまいます。私たち、現代人は情報が豊富にあるせいか、妙に現実的になりすぎて、自然の中で創造の翼を広げることが出来なくなってしまっているように思えるのです。時に、このような古い品物を見るたびに。

さて、このテーブルクロス、やや小ぶりなサイズで154cmx133cmです。6人がけのテーブルにはやや厳しい大きさですが、下に別の大きいクロスを敷けば、なんとかなるでしょうか。合わせて、落ち着いた色目の紅いナプキンも6枚求め、あ~、これで今年のクリスマスの食事は雰囲気も一新、盛り上がりそうです。大切に末永く使います。
by ydonnadieu | 2011-11-26 00:12 | アンティークリネン&リネン
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